黄金比対数螺旋によるシンボルマークデザイン例:水火シンボルマーク/1996年
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【デザイン基礎造形 ❷】シンボルデザイン展開 | 黄金比率:黄金比対数螺旋

黄金比率:黄金比率の対数螺旋

【基礎造形】黄金比率の対数螺旋 ~90度ごとの黄金比対数螺旋を活用してデザイン制作したシンボルマーク

90度ごとに展開した黄金比対数螺旋: 90°, 180°, 270°, 360°

90度毎に展開した黄金比対数螺旋です。黄金比率を説明するのによく見る疑似的な螺旋、それを対数螺旋でキレイに作成したものが90度。もっと細分化すると36度毎、27度毎…、また別なアプローチからと考えられます。様々なパターンが出てくるため、結局デザイン制作においては感覚と経験によります。それでもあえて黄金比でのポイントや拠り所を探るなら「連続性」をキーに見出すことになります。また収束点(起点)です。
今はjavascriptで描画しベクターデータに出力するプログラムを作るなど、そう難しくもないでしょう。当時はイラレでパスを作りました。

直線で構成した黄金比率によるシンボルデザイン参考事例

※当時、勤務していたグラムコ株式会社での仕事です。

黄金比対数螺旋によるロゴマーク・シンボルマークデザイン制作

黄金比対数螺旋による、ロゴマーク・シンボルマークデザイン制作事例

水火 /1996年制作
黄金比対数螺旋によるシンボルマークデザイン例:水火シンボルマーク/1996年

黄金比対数螺旋の渦巻を素直に使い、造形に取り入れたデザインです。2003~4年頃になりますが、文教出版社の高等学校教科書に掲載されました。私以外、他は全て著名・巨匠デザイナーとその作品群であり、私だけひと回り若い世代だったこともあってただ恐縮するのみでした。

VI制作業務でデザインしたシンボルマーク /1996年制作
黄金比対数螺旋でデザインしたシンボルロゴマーク

全て黄金比対数螺旋で構成しています。当シンボルマークについては精緻化する余地がない造形・デザインです。色味が主な理由だと思いますが、若干時代を感じます。
この案件について、私としてはアイディエーションから既に黄金比対数螺旋で構成することを前提にしていました。求められていた要件に対し、黄金比対数螺旋による造形が(…運よく)合致できた唯一の事例です。ただしこの制作アプローチは、アイディエーションでは多方面から着想することが難しく実制作でも時間がかかりすぎます。時間と予算に制約がある中、数多くの飛躍的アイデアを求められるデザインビジネスには不向きという考えに至りました。

※当時勤務していたグラムコ株式会社での仕事です。

個人的にデザインしたシンボルマーク/1997年制作
黄金比対数螺旋でデザインしたシンボルロゴマーク -OAO

完全にプライベートで制作したデザインです。形態自体は個人的に気に入っています。グレーのカッティングシートから形を切り出し、シルバーのバイクのタンクに貼っていました。OとAとロケットです。

黄金比率は個人的な探究。ビジネスやマーケティングとは交わりにくい。


ビジネスやマーケティングとは交わりにくい。

前の記事の通り、黄金比率はデザイナーにとって参考程度だが常識的な知識です。一方、当たり前ながらクライアントの要件に合致する事はほぼなく、顧客のソリューションやデザインのセールスポイントにもなりません。造形に関する個人的な取り組み方にとどまり、今後もわざわざ主張することはありません。個人的な探究の中で何か見い出せればと考えている程度です。
当方の場合は自然や森羅万象について、創作活動を通して何かしら理解したいという考えの一環でした。その中で興味をもった黄金比率はフィボナッチ級数を経てマンデルブロー集合、カオスに通じていますが、数学的アプローチは当方が求めている事とズレてきます。今後も引き続き抽象的ながら本質的なテーマの下創作し、自分自身が良いと評価できればそれでOKと考えています。

基本フォーマット例

基本フォーマットのひとつです。いくつか必要性を感じたフォーマットを作成しテンプレートとして実制作に生かします。


まとめ

黄金比率は数学的・概念的な美しさ。その本質は連続性。見た目のスタイリングとは別(個人的見解)。黄金比対数螺旋は精緻化の必要がない曲線だが、デザイン制作現場には向かない。

当項目、ほぼ前記事の繰り返しです。ところで当方では1:1.6180339…という黄金比率はさほど積極的に使いません。一方1:1.236067…という比率は気軽に使います。黄金比率の流れにある比率ですが1/4の整数比を見ているのかもしれません。125%は常用しています。「黄金比率は自然界に存在する」とよく言われます。動植物の成長に内在している比率ということなのでしょう。故に「理屈を超えた本質的な美しさを感じる(…はず)」といったところでしょうか。有名なひまわりの種の構造も黄金比対数螺旋で再現できます。黄金比率はファジーな感じかもしれません。
個人的には黄金比率について、数学的・概念的にはカオスに通じ、古代ギリシャ人も抱いたであろう美しさとロマンを感じます。しかしそれがビジュアルデザインやスタイリングにそのまま当てはまるかというと、色々あって「どうかなぁ?」という感じです。経験的に単純な整数比の方がカッチリ見え、感覚と眼力を頼りに精緻化していくと厳密な黄金比率から離れるし。現実的には重力も作用しており、長方形の縦型・横型では比率が違って見えるはずです。東京スター銀行のシンボルマークは正方形の枠ではありません。正方形に見えるよう視覚補正した長方形です。デザイナーはその辺の視覚補正をやって当然です。
とはいえ黄金比率を探求した制作をして参ります。ロゴと言い表すとデザインですが、ビジネスを離れると無駄な概念を極限まで削ぎ落し本質を追求したアートです。一般世間はそのように捉えませんが。究極的には自然界にはない真円に行きつきます。日の丸です。

※当ページの一部コンテンツは別のWEBサイトにアップしています。PV0のサイトに違うペンネームで潜ませています。念のため。

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